読書メモ

 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチの作品をまとめ読みしている。

自分の言葉で語るのも発表するのも難しいソ連地域で、自分の言葉で戦争や事件を語ろうとしている。

ベラルーシ人にとって第二次世界大戦とは何だったのか(ドイツ兵=ファシストによる爆撃、占領、避難、虐殺)、チェルノブイリとは何なのか、アフガン侵攻とは何だったのか(戦争ではなくアフガンの共産化を助ける目的と教えられたが、実際は戦争だった)。

著者名表記が揺れているのが気になりますが…。

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫)

戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫)

 

 

ボタン穴から見た戦争――白ロシアの子供たちの証言 (岩波現代文庫)

ボタン穴から見た戦争――白ロシアの子供たちの証言 (岩波現代文庫)

 

 

死に魅入られた人びと―ソ連崩壊と自殺者の記録

死に魅入られた人びと―ソ連崩壊と自殺者の記録

 

 

アフガン帰還兵の証言―封印された真実

アフガン帰還兵の証言―封印された真実

 

 

チェルノブイリの祈り――未来の物語 (岩波現代文庫)

チェルノブイリの祈り――未来の物語 (岩波現代文庫)

 

 

 

2017/8/3

京都新聞夕刊「東京五輪物語」より

セコムの前身である国内初の警備会社、日本警備保障の設立は1962年。64年の東京五輪に向けた選手村の整備段階から警備を請け負った。

その選手村が現在の代々木公園。当時は米軍宿舎が残っていた。

65年には警備の仕事を発注した側、組織委事務次長だった村井順が、今はALSOKと名乗る綜合警備保障を起こす。

当時のセコムにはスウェーデンの警備会社の資本が入り、英米企業の進出話もあった。危機感を持った村井は、「日本の安全は日本人が守るべきだ」と秘書官として仕えた吉田茂元首相の後押しを得て、警察や銀行業界を背景に創設。

 

今やどこでも見かけるALSOKとセコムの設立期にこんな背景があったとは。

市立札幌病院の精神科

昭和9年から平成24年まで平岸の丘の上に静療院という施設で診療を行っていた精神科。定山渓鉄道の当時北茨木駅(現札幌市営地下鉄澄川駅)は静療院関係者の利用が多かったという。

精神科は現在中央区の市立札幌病院の隣に精神医療センターとして開設。静療院の建物は札幌市子ども発達支援総合センターになっている。

 

子供の頃、南平岸の友達の家に行く度に静療院の前を通っていた。サナトリウムとはこういうところのことを言うのかしらと気になっていたものだ。

言葉を失う

物事の裏面を知るたびにナイーブな考えで気軽に意見を発せなくなる

仕事でも色々あり辞めようにも辞められず、でも気持ちが入っていないのは確か。

職業も興味のある事もこれでいいのかという拭えない葛藤が付き纏う。(敢えて漢字で言う)

時間の使い方に自信が持てないのだろう。

最近読んだ本

 

 

樺太を訪れた歌人たち

樺太を訪れた歌人たち

 

 樺太を訪れた歌人の短歌と、樺太在住の歌人の短歌。そして著者のサハリン旅行記。

 

死に魅入られた人びと―ソ連崩壊と自殺者の記録

死に魅入られた人びと―ソ連崩壊と自殺者の記録

 

 ソ連崩壊後に自殺者が増えたという。ソ連時代を生きた旧世代と共産主義を罵倒する新世代と。お互いを理解できない。これは戦後の日本にもあてはまらないだろうか。

 

 「権力者を守って国民を縛るようなものは憲法なんかではありません。」

「変革を叫ぶリーダーは他人の言う事を聞かず独裁に走りやすい」

「誰かに決めてもらう前に自分で決めておかなければなりません。どうしてかと言えば、国家というものが我々国民のものだからです。だから、大事にしなければいけないし、ちゃんと考えなければいけないのです。」

 

 

解説にもある通りアイヌ時代から戦中までの八雲サーガといった趣の小説。
歴史を知らなければと思う。

 

族譜・李朝残影 (岩波現代文庫)

族譜・李朝残影 (岩波現代文庫)

 

創氏改名を強制する現場を舞台にした『族譜』と三一独立運動の影をひく『李朝残影』と。所詮日本人は闖入者だったのだと思い知らされる。

 

永訣の朝 (河出文庫)

永訣の朝 (河出文庫)

 

 昭和20年8月20日早朝、ソ連軍が迫る中、樺太・真岡郵便局に勤務する9人の若い女性電話交換手が自決した事件のルポ。9人全員が自決したと思われているが、郵便局の2階にいた電話交換手は12人いて、1階には電信係がいた。若い女性ばかりの2階で近付くソ連軍に怯え、護身用に持っていた(あるいは持たされた)毒で自殺したのだと言う。生き残った職員は電信係含め11人。そして当日出勤せず保身に走った元局長との対比。

 

ジニのパズル

ジニのパズル

 

 学校に対する違和感、同級生に対する違和感、国家に対する違和感。

朝鮮国籍で小学校から朝鮮学校に通って、日本人の血は混じってなくて、というストーリーに乗っていないとなじめないと、私は感じている。

 

 1957年に発行されたものを1988年に復刻した書籍。

地図には定山渓鉄道も学芸大学も製麻会社もある。

大通公園の写真には建設中のテレビ塔と、その麓のバスセンターが写っている。現在のようなバスセンターの建物はない。

市立図書館は時計台の内部にある。

当時の詳細な地図が見たい。

札幌郊外の名物はタマネギである。札幌黄とよばれ、内地のタマネギと収穫期が異り、秋口にとり入れる。戦前にはフィリッピン満州、シベリヤなどへ大量に輸出された。

 

戦災をまぬがれたにも拘らず札幌は深刻な住宅難だ。農地は急速に宅地に変って行く。地下も五年前の十倍近くになった。

 

札幌駅には北大の寮歌を奏でるオルゴールがあったり、地下にはデパートニュース劇場までそろっている。

 

札幌が北海道の商業をリードするようになったのも戦時中の統制によって、小樽にあった問屋が官庁のある札幌へ移ってきたためである。

 

トウキビ屋の現れる頃ツブ焼(貝)の屋台も裏通りに並ぶ。毛ガニのゆでたのは殆ど年中売っている。

 

円山の動物園は11月から4月迄は休園する。

 

札幌市民の生計費は東京よりも多くかかる。その主な原因は冬仕度があるためだが、物価も東京を上廻っている。

最近読んだ本

 

かれらの日本語―台湾「残留」日本語論
 

 

京城のダダ、東京のダダ: 高漢容と仲間たち

京城のダダ、東京のダダ: 高漢容と仲間たち

 

 

カラスと京都

カラスと京都

 

 

京都ジフテリア予防接種禍事件―69人目の犠牲者 (新風舎文庫)

京都ジフテリア予防接種禍事件―69人目の犠牲者 (新風舎文庫)

 

 

親愛なるミスタ崔: 隣の国の友への手紙 (日韓同時代人の対話シリーズ)

親愛なるミスタ崔: 隣の国の友への手紙 (日韓同時代人の対話シリーズ)