最近読んだ本
作家金達寿先生の、終戦までの自伝。
日本に来てからの苦労のこと、見聞きしたこと、文学を志したこと、など。小説も『日本の中の朝鮮文化』も読もう。
印象に残ったところは以下のとおり。
・鎌倉駅にいた時に、駅の拡声器から太平洋戦争勃発を知らせる大本営発表が流れた。しかし乗客の様子はいつも通り、「人々はそれぞれの頭のなかではなにを考えているのかわからなかったが、みな平気で、いつもと変わりなく歩いて行っている。 」
10年も前から続いていた戦争に人々は馴れてしまっていた。
・関釜連絡船。朝鮮からの渡航には警察が発行した渡航証明書が要り、朝鮮へ帰るには一時帰鮮証明書が要る。乗船時には特高が見張っている。
1944年に朝鮮から乗った時には釜山港に強制徴用者達の列が。
いつか下関〜釜山間のフェリーに乗らねばなるまい。
高句麗・百済・新羅・伽耶からの渡来人は日本の基層になっている。そういう視点で神社やお寺を訪ねたくなった。