読書メモ

金賛汀『異邦人は君ヶ代丸に乗って』岩波新書 読了。

猪飼野朝鮮人が住むようになったのは通説では、平野川の改修工事に携わった人達が始めだとあるけれど、その人達は工事現場が移ると飯場も移ったので違うと。

むしろ職工が住むようになったからだというのが書かれている。

猪飼野済州島出身者が多いけれど、日本内で、本土出身者から済州島出身者への差別があったという。三河島済州島出身者が多い。

日本に出稼ぎにきた原因は、日本の近代的漁業によって零細漁民が大打撃を受けたこと。済州島の有力な産業であった綿花栽培と手紡家内工業は、日本の近代的な大規模紡績工業による安価な綿布の流入によって打撃を受けたこと。

そして猪飼野の職工が作った雑貨は中国へ輸出されていく。