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読書メモ

 またある種の読者は、本書の内容よりは、あとがきの中の「伝統的『中ソ(=清露)抗争』という図式の中にはめこまれたモンゴル民族の運命を変える力を持てるのは、朝鮮民族をおいて他にない」という一文のほうに、より関心を抱いたらしい。それはどういう意味かという質問をたびたび受けた。今回も私はそれに直接答えることはしないが、このことばは、まだほこりをかぶっていないのみならず、最近の動きから具体的に読みとれるようになってきた。朝鮮人であれモンゴル人であれ、分断され独立を奪われたアジアの誇りたかい民族が、自らの智慧により、大国の圧力をはねのけて、輝かしい統合に歩み出せないのであるとすれば、研究も学問もやりがいがないというものである。

 

  田中克彦『草原の革命家たち モンゴル独立への道 増補改訂版』中公新書 1990年 

 

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