2016/02/13

映画「チスル」を観た。原題は지슬という、済州島の方言でジャガイモという意味。

全編白黒で緊張感漂う感じ。だけど登場人物達の会話はどこかコミカル。

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「海にかかる霧」は「えー、そういうラスト?!」と思った。

密航をしたばっかりに次から次へと事件が降りかかるという。

「僕の彼女を知らないとスパイ」は、面白く観れる映画。スパイってこういう生活なんだ、とわかる。韓国語で間諜って言うんですね。

映画「ジョバンニの島」

ジョバンニの島という映画がある。

1945年の色丹島が舞台である。

敗戦を迎え、樺太北方四島ソ連に占領される。

ソ連は日本人の強制引き揚げを行い、まず樺太の真岡に移送し、そこから日本に引き揚げることとなった。

それを背景に、当時小学生であった主人公が故郷を訪問するシーンから始まる。

 

北方四島というととかく、「領土を返せ」という主張しか見えない。そして多分関係者以外にはその主張すら知られていないのではと思う。北海道出身の私ですら元島民の声を知る機会もなかったのだけど、この映画では彼らが占領期に経験した悲惨なことや楽しかったこと(ロシア人との交流等)を知ることができる。

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2016/2/11

 今は韓洪九の本を読んでいる。

現在の(この本で書かれているのは2008年頃の話だが)韓国の政治状況がよくわかる。

日本からは竹島問題、従軍慰安婦問題、歴史教科書問題で対立する韓国という構図しか見えないが、韓国側も一枚岩ではない(韓国社会全員がそう考えているわけではない)ということがわかる。

韓国のお姉さんが「大統領が変わるとガラっと変わってしまうから怖い」と言っていたがその意味がよくわかる。

韓国は日本の植民地支配時代→軍事独裁時代→民主化時代を経て再び独裁時代に逆戻り(むしろ当時より悪化)しているという。日本はどうだろう。最近の右傾化も似たようなことがないだろうか。と色々考える。

倒れゆく韓国 韓洪九の韓国「現在史」講座

倒れゆく韓国 韓洪九の韓国「現在史」講座

 

今日は建国記念の日なので、橿原神宮に行ってみたかった。まあ、来年ですね。 

最近読んだ本

松田道雄『明治大正京都追憶』岩波書店同時代ライブラリー240、1995

ー『育児の百科』を書いた小児科医の先生は、京都育ちだった。

 子供時代のエピソードを書いた本である。

 かつて熊野神社前にあった書店、西川誠光堂のことも書かれている。

松田道雄『京の町かどから』筑摩書房、1968

ーこちらの方が読み物として面白い。

 1960年代という時代がよく現れている。戦前の息苦しさも。

 西陣病院の発祥のことも書かれている。

山口覚『出郷者たちの都市空間ーパーソナル・ネットワークと同郷者集団』ミネルヴァ書房、2008

尼崎市宝塚市の出郷者について書かれている。鹿児島、高知、沖縄出身者。

水木しげる貸本まんが復刻版 墓場鬼太郎』角川文庫

ー意外に絵がリアル。でホラー。

水木しげる水木しげるの古代出雲』角川文庫

朴裕河『帝国の慰安婦朝日新聞出版、2014

ー太平洋戦争下、朝鮮人慰安婦がうまれた背景には何があったのか。

 著者はそれは「帝国」が産み出したものだという。

 太平洋戦争下の日本に限らず、韓国もアメリカも同じことをしている。

 女性を慰安のために必要とするのは、戦時だけでなく日常でも同じだ。

 労働の疲れを癒す家庭という構図において。

韓洪九『倒れゆく韓国』朝日新聞出版、2010

ー民主主義に逆行する現在の韓国を描く。必読。最近の日本もそうではないか?

鄭銀淑『韓国「県民性」の旅』東洋経済新報社、2009

鄭雲鉉『ソウルに刻まれた日本』桐書房、1999

最近読んだ本、観た映画

映画

・国際市場で会いましょう

・GF*BF

病院坂の首縊りの家

・本陣殺人事件

犬神家の一族

悪魔の手毬唄

悪魔が来たりて笛を吹く

獄門島

・悪霊島

八つ墓村

・女王蜂

迷子の警察音楽隊

デビルマン(実写)

デルス・ウザーラ

 

安部公房「笑う月」「友達・棒になった男」「他人の顔」

・「日本残酷物語1」

ミシェル・ウエルベック素粒子

橋本治「宗教なんかこわくない!」

・エトガル・ケレット「突然ノックの音が」

萱野茂アイヌの昔話」

レイモンド・カーヴァー「象」

・鮮于煇「火花」

福田定良「落語としての哲学」

・神楽子治「校長ありきー伊東茂光と崇仁教育」

水木しげる「ゲゲゲの先生大いに語る カランコロン漂泊記」

水木しげる「娘に語るお父さんの戦記 南の島の戦争の話」

 ・伊藤隆「歴史と私」(中公新書

網野善彦「古文書返却の旅」(中公新書

・古厩忠夫「裏日本ー近代日本を問いなおすー」

読書メモ

つまり、「宗教とは、”幸福”というものを求める人間が生み出した、”幸福にまつわる模索”」なのである。

 

つまり、”宗教”とは、”まだ登場しないあるものの前段階”であるようなものなのだ。つまり、「自分の頭でものが考えられない人間の前段階とは、神様や教祖様という絶対者からの指示待ち状態ーすなわち”宗教”である」と。

 

織田信長以来、日本人は宗教をこわがっていない。少なくとも、日本の現実政治の支配者達は、宗教というものをこわがっていない。ということは、超越的なものを信じていない現実主義者だということである。

橋本治『宗教なんかこわくない!」 

 

北方関係参考文献

『ギリヤークの昔話』中村チヨ・口述、村崎恭子・編、ロバート・アウステリッツ・採録、北海道出版企画センター、1992

『絵で見る樺太史ー昭和まで実在した島民40万の奥北海道』高橋是清、太陽出版、2008

『十五歳の露国少年の書いた カムチャツカ旅行記』ジョルジュ・クラマレンコ 著,ゲ・ア・クラマレンコ 監修,松本高太郎 訳,今井昌雄 編、新函館ライブラリ、2013

沿海州サハリン 近い昔の話ー翻弄された朝鮮人の歴史』アナトーリー・チモフェーエヴィチ・クージン 著,岡奈津子, 田中水絵 共訳、凱風社、1998

『歴史文化ライブラリー78 エトロフ島ーつくられた国境』菊池勇夫、吉川弘文館、1999

サハリン島占領日記1853-54 ロシア人の見た日本人とアイヌ』(東洋文庫715)ニコライ・ブッセ 著,秋月俊幸 訳、平凡社、2003

『海の中からの叫び 樺太引き揚げ三船遭難の記録』鈴木トミヱ、北海道出版企画センター、1990

神奈川大学評論ブックレット30 菅江真澄が見たアイヌ文化』菊池勇夫、御茶ノ水書房、2010

樺太の地名』葛西猛千代ほか共著、第一書房、1982

樺太庁博物館の歴史』舟山廣治編著、北海道北方博物館交流協会、2013

樺太考古学のパイオニア 木村信六伝』野村崇、北海道北方博物館交流協会、2008

『特務艦「宗谷」の昭和史』大野芳、新潮社、2009

昭和天皇の親代わり 鈴木貫太郎とたか夫人』若林滋、中西出版、2010

シーボルトの花かんざし』不破俊輔、北海道出版企画センター、2012

樺太・瑞穂村の悲劇』コンスタンチン・ガポネンコ 著,井上紘一, 徐満洙 訳、花乱社、2012

北樺太石油コンセッション1925ー1944』村上隆北海道大学図書刊行会、2004

『亜寒帯植民地樺太の移民社会形成 周縁的ナショナル・アインデンティティと植民地イデオロギー』中山大将、京都大学学術出版会、2014

『移住型植民地樺太の形成』三木理史、塙書房、2012

『北海道東部に残る樺太アイヌ文化Ⅰ』萩中美枝, 宇田川洋 編、常呂樺太アイヌ文化保存会、1996

サハリン抑留七百九十八日』松田静偲、文芸社、2007

根室シンポジウム「北からの日本史」メナシの世界』北海道・東北史研究会 編、北海道出版企画センター、1996

根室シンポジウム「クナシリ・メナシの戦い」三十七本のイナウ 寛政アイヌの蜂起二〇〇年』根室シンポジウム実行委員会編、北海道出版企画センター、1990

蝦夷と「なこその関」』菅原伸一、無明舎出版、2014

『北海道「海」の人国記』伊藤孝博、無明舎出版、2008

樺太・シベリアに生きる 戦後60年の証言』小川岟一、社会評論社、2005

サハリンに生きた朝鮮人 ディアスポラ・私の回想記』李炳律、北海道新聞社、2008

『国境の植民地・樺太』三木理史、塙書房、2006

『続 浦河百話 愛しき、この大地よ』小野寺信子ほか共著、共同文化社、2013

維新アイヌ 金成太郎』富樫利一、未知谷、2010

『北海魂の人 小林博明の半生』聞き書き編集・若林滋、中西出版、2007

天明蝦夷探検始末記 田沼意次と悲運の探検家たち』照井壮助、影書房、2001

『血価の証言 北海道・角田砿における中国人強制労働の実態』富樫利一、彩流社、2008

『教えてください、函館空襲を 空襲犠牲者の血みどろの証言から』浅利政俊編著、幻洋社、1991

『足は十三文半、雲つくような大男 米軍占領下札幌の光と影』パトリック・オルスキー 文・写真,松澤時弘 文,柏艪舎編集部 編、柏艪舎 、2008 

『潜行 米ソ情報戦と道産子農学者』(道新選書32)小坂洋右、北海道新聞社、1997

『謀略の海 冷戦のはざまに生きた日本人』(道新選書33)矢野牧夫、北海道新聞社、1998

『故郷に告げよ 戦時機密 日連丸の撃沈』(道新選書29)相神達夫、北海道新聞社、1994

江差追分物語』(道新選書13)館和夫、北海道新聞社、1989

『開戦 大本営陸軍部・道産子幕僚たちの苦悩』(道新選書28)平沢是曠、北海道新聞社、1993

『叛徒 二・二六事件と北の青年将校たち』(道新選書23)平沢是曠、北海道新聞社、1992

『北の芭蕉 松窓乙二伝』(道新選書27)大嶋寛、北海道新聞社、1993

『新版 男爵薯の父 川田龍吉伝』(道新選書45)館和夫、北海道新聞社、2008

『大君の刀 ブリュネが持ち帰った日本刀の謎』(道新選書42)合田一道、北海道新聞社、2007

『制服捜査』佐々木譲、新潮社、2006

『永訣の朝 樺太に散った九人の逓信乙女』川嶋康男、河出文庫、2008

『札幌刑務所4泊5日』東直己光文社文庫、2004

『北の人名録』倉本聰新潮文庫、2002

『氷点 上』三浦綾子、角川文庫

『氷点 下』三浦綾子、角川文庫

『泥流地帯』三浦綾子新潮文庫

『続泥流地帯』三浦綾子新潮文庫

『憂き世店 松前藩士物語』宇江佐真里、朝日時代小説文庫、2007

『エトロフ発緊急電』佐々木譲新潮文庫、1994

『破獄』吉村昭新潮文庫、2011

アイヌの碑』萱野茂朝日文庫、1990

街道をゆく16 叡山の諸道』司馬遼太郎朝日文庫、1981

街道をゆく38 オホーツク街道司馬遼太郎朝日文庫、1999

飢餓海峡 上』水上勉新潮文庫

飢餓海峡 下』水上勉新潮文庫

『静かな大地』池澤夏樹朝日文庫、2007

五稜郭の兄弟』高橋義夫、新人物文庫、2009

『北海道謎解き散歩』好川之範・赤間均編著、新人物文庫、2011

『雪』中谷宇吉郎岩波文庫

アイヌ神謡集知里幸恵編訳、岩波文庫

ユーカラの人びと』金田一京助平凡社、2004

『北海道の旅』串田孫一平凡社、1997

アイヌの昔話』萱野茂平凡社、1993

『ミニ授業書 えぞ地の和人とアイヌ 二つの民族の出会い』板倉聖宣、仮説社、2005

『ウエンカムイの爪』熊谷達也集英社文庫、2000

『クマにあったらどうするか』姉崎等、片山龍峯、ちくま文庫、2014

『慟哭の谷 北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件』木村盛武、文春文庫、2015